今回は、「クレジット業務」についてです。
「そもそもクレジットの意味とは何か?」から始まり、クレジット会社の仕事やカードショッピング、キャッシング、請求や督促等、クレジット業務について勉強しました。
具体的には、以下の内容となります。
1、クレジットの意味について
2、クレジット会社の仕事について
3、カードショッピングについて
4、カードキャッシングについて
5、銀行保証の仕組みについて
6、返済方法や手数料の計算方法などについて
7、審査について
8、請求や督促について
9、ポイントについて
イシュア・アクワイアラー・銀行保証等しらない言葉を説明していただき、とても勉強になりました。
下記に発表会での発表内容を紹介いたします。
クレジット業務)
1、クレジットの意味についてそもそも「クレジット」はどういう意味か?
クレジットを日本語に訳すと「信頼」「信用」になります。
クレジットカードを発行するということは、顧客の信用に基づき、信用を供与することを意味しています。
この信用を基に、顧客とクレジットカード会社の間に契約が結ばれ、現金を持っていなくてもカードを提示することで買い物や食事ができるようになっています。(代金は後払い)
2、クレジット会社の仕事について
クレジットカード会社はクレジットカードを発行して会員に関する業務を行うイシュア (issuer)と
加盟店に関する業務を行うアクワイアラー (acquirer) の2つに大きく分かれます。
●イシュア
会員に対するクレジットカードの発行や管理を行う業務です。
会員に発行したカードの利用状況から利用金額を請求したり、ポイントなどの各種サービスを提 供します。
●アクワイアラー
クレジットカード決済ができるシステムを導入して貰えるようお店にお願いをしたり
(加盟店開拓)、顧客がカード決済で後払いにした代金を精算し、加盟店に支払う業務です。
3、カードショッピングについて
クレジットカード会社のサービスは、大きく「ショッピング」と「キャッシング」の2つに分けられます。
●ショッピング
店頭で、現金の代わりにカードで買い物する。
クレジットカードを持っていると、あらかじめ設定された利用可能枠の範囲で買い物ができます。
ただし、カードショッピングが可能なお店は、クレジットカード会社と契約しているお店(加盟店)
だけです。
クレジットカードで買い物をした場合、クレジットカード会社はその代金を顧客に代わってお店に 支払います。
その後、顧客は利用した代金を所定の期日にクレジットカード会社に支払います。
4、カードキャッシングについて
●キャッシング
現金の手持ちがない時に、クレジットカード会社から現金を借りる
クレジットカードを持っていると、あらかじめ設定されたカードの利用可能枠の範囲でお金を借り ることができます。
尚、貸金業法の中に総量規制と呼ばれる制度があり、年収の三分の一を超える融資は法律で 禁止されています。
ただし、総量規制の対象となるのは、消費者金融やクレジットカード会社等の貸金業者からの 借入のみで、銀行からの融資(カードローン含む)は総量規制の対象外になります。
5、銀行保証の仕組みについて
銀行は融資を実行する際、貸し倒れリスクを軽減するために、基本的に担保や連帯保証人を 必須としています。
また、住宅ローンの場合などは、金額が大きいことや返済期間がとても長いため、連帯保証人 の代わりに保証会社の保証を必須条件としていることがほとんどです。
銀行が顧客に融資を実行する際に、クレジットカード会社(保証会社)がその債務の連帯保証を 行うことを銀行保証と呼びます。
クレジットカード会社は顧客の連帯保証のみを行い、顧客への融資、請求、回収等はすべて銀 行で行います。
銀行から代位弁済(顧客から回収できないので保証人であるクレジットカード会社に保証しても らう)の請求があった場合、クレジットカード会社は顧客の残金を一括して銀行に立替払いしま
す。そして、クレジットカード会社は顧客に対して、立替金の一括請求を行います。
6、返済方法や手数料の計算方法などについて
クレジットにはいくつかの支払方式があり、利用時に選択することができます。
①翌月一括(1回)払い
商品等を購入した翌月に一括して支払う方式で、一般に手数料は掛かりません。
②ボーナス一括(1回)払い
商品等を購入した翌ボーナス時期に一括して支払う方式で、一般に手数料は掛かりません。
支払う時期は、通常、夏は7月か8月、冬は12月か1月です。
③分割払い
商品等の金額を考慮して、支払回数や月々の支払額を決めて支払っていく方式で、利用金額
や支払回数に応じた手数料が掛かります。
④ボーナス併用払い
月々の支払いに加え、ボーナス時にはボーナス支払額を加算して支払う方式です。
⑤リボルビング払い
あらかじめ決めておいた金額(一定額または残高に応じた一定率)を支払っていく方式で、月々 の支払額に加えて手数料が掛かります。
※月々の支払額をあらかじめ決める「定額方式」、残高の一定割合を月々の支払額とする「定 率方式」、残高に応じて月々の支払額が決まる「残高スライド定額方式」があります。
住宅ローンの代表的な返済方法として、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類あります。
●元利均等返済
元金と利息を足した金額を毎月同じ額になるように均等にして返済する方法です。
毎月の返済金額が一定のため、返済計画が立て易いというメリットがある反面、
当初の返済が利息部分に充てられているため、元金が減りにくく、「元金均等返済」に比べる
と、最終的に支払う利息の合計額が多くなります。
●元金均等返済
元金をまず毎月均等にして、利息は元金の残額に応じて返済する方法です。
金利手数料の計算方法には「残債方式」と「アドオン方式」があります。
●残債方式
借り入れたお金を返済していくと、残高が減っていきます。この減っていく残高に毎回金利をか けて金利手数料を求める方式。また、その残債方式で使われる金利が実質年率です。
●アドオン方式
当初借り入れた元金が借入期間中に減らないと仮定して金利手数料を計算する方式。
最初の元本に金利をかけて金利手数料を求め、元本+金利手数料を支払い回数で割って返済
します。
キャッシングや住宅ローンでは残債方式、ショッピングクレジットではアドオン方式ががよく用い られています。
7、審査について
クレジットカード会社は誰にでもカードを発行している訳ではありません。
きちんとした信用調査を行い、顧客の支払い能力や過去のクレジット事故等がないことを確認してからクレジットカードを発行しています。
審査基準はクレジットカード会社によって異なりますが、主に3Cと呼ばれる以下の基準で審査を行っています。
①Capacity (資力)
継続して返済を続けるために一定の収入が定期的にあるかといった「返済能力」を見るもので す。この返済能力が、クレジットカードの審査において最も重要視されています。
②Character (性格)
決められた日にきちんと返済できるかといったお金に対するまじめさと信頼性(性格)を見るも
のです。
③Capital (資産)
負債の担保となる資産(不動産、車、有価証券、貯蓄など)があるのかを見るものです。
また、クレジットカードの申し込みがあった場合、クレジットカード会社は他社での利用状況や過
去の事故情報(代金の滞納、自己破産など)を調査するために、信用情報機関を利用します。
<信用機関情報>
①シー・アイ・シー (CREDIT INFORMATION CENTER CORP) <略称:CIC>
主にクレジットカード会社、信販会社、リース会社、消費者金融、携帯電話会社などが加盟し
ている。
②日本信用情報機構 <略称:JICC>
主に消費者金融、クレジット会社、リース会社、保証会社などが加盟している。
③全国銀行個人信用情報センター <略称:KSC>
主に銀行、信用金庫、信用組合、農協、労金などが加盟している。
個人の信用情報は国が指定する上記の信用情報機関によって管理されていて、それぞれの
間で信用情報の共有を行っています。
8、請求や督促について
クレジットカードは利用する会社によって、毎月の締め日や引き落とし日が異なっています。
●締日
クレジットカード会社がカード会員への請求金額を確定するための締め切り日
●引き落とし日
クレジットカードを使った代金が引き落とされる日
例えば、締め日が15日で、引き落とし日が翌月10日の場合、これは前月の16日から今月の15
日までにカードを使った代金が、翌月の10日に引き落とされることを意味します。
何らかの事情で、クレジットカードの支払いを怠り、遅延を発生させてしまった場合、クレジットカード会社は以下の様な段階を踏んで督促を行います。
①期限を過ぎても入金しなかった場合再引き落としの「案内」書が届きます。
②それでも入金しなかった場合、次は電話による支払いの「警告」があります。
③さらに入金しなかった場合、「督促状」が届きます。
督促状が発行されてから何日か経過しても入金しなかった場合、残金を一括して返済する義務
を負うことになります。(分割払いでも分割返済はできない)
④督促状を受け取っても入金しなかった場合、「催告書」が送付され、これ以降クレジットカード会
社は、督促状を発行していればいつでも強制執行できることになり、給料をはじめとした財産の
差し押さえも強制的に実行することが可能となります。
9、ポイントについて
クレジットカードのポイント制度とはクレジットカード会社が顧客にクレジットカードを積極的に使用して貰うため、利用した金額に応じて与えてくれる報酬(ポイント)のことです。
このポイントの還元により、ギフト券やさまざまな商品が貰えたり、現金の代わりに使って買い物ができます。
クレジットカードを利用するだけでポイントが貰えるのは、クレジットカード会社はお店から加盟店手数料を徴収していて、そのうちの一部をポイントとして還元しているからです。
クレジットカード会社は、自社のクレジットカードを利用してくれる顧客が増えることで、加盟店手数料による収入(利益)が増えるといった好循環を生み出すため、ポイント制度をより魅力的にするための特典を付けたり、キャンペーンを行っています。
私自身、現金主義的なところもあり、カードでの買い物はなかなかしないのですが、
ポイント還元を考えるとカードを使って得する買い物をするのも良いな、と思いました。